大人の矯正治療にはどんなリスクがある?
大人の方で矯正治療をしたい、という人は最近増えています。矯正治療は歯並びを整えて見た目がきれいになるだけではなく、歯磨きがしやすくなり、バランスの良い噛み合わせになることで歯も健康になるのでとてもメリットが多いのですが、リスクやデメリットがあると言われることもあります。
そのような情報を目にすると、矯正治療をためらってしまう人もいるでしょう。ですが、どんな治療でも、メリットだけでなくデメリットやリスクはつきもの。そこで今回は、大人が矯正治療をする場合に起こりうるリスクについて知っていただき、治療するかどうかの参考にしていただければ幸いです。
大人の矯正治療で起こりうるリスク
矯正治療で歯を動かすために装置を装着しますが、特にワイヤー矯正の場合には装置を固定するため、日々のケアを念入りに行わないと、虫歯や歯周病を起こすリスクがあります。マウスピース矯正の場合でも、飲食の後に歯磨きをしてマウスピースを装着しないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
◆歯茎が下がる
特に、重なっていた歯をきれいに並べる際に、歯茎の位置が下がることがあります。
◆歯根吸収
歯に過剰な力がかかってしまう場合、歯根が吸収して短くなってしまうことがあります。
◆抜歯
歯を並べる場所が十分に足りない場合、どこかの歯を抜歯して歯並びを整える必要性が出てきます。
◆金属アレルギー
ワイヤー矯正を行う場合、ワイヤーなどには金属を使用しますので、金属アレルギーのリスクがあります。
◆後戻り
矯正治療というのは、力をかけて無理に歯を動かしますので、歯を動かし終わった後にはそのまま放置していると、歯が元の位置に戻ろうとしていきます。それを防ぐためには、保定装置と呼ばれるものを一定時間装着する必要がありますが、それを怠ると歯が後戻り現象を起こし、歯並びが崩れてしまいます。
◆顎関節症
歯の位置を動かすことにより、噛み合わせが変わること、そして矯正中のストレスなどにより顎関節症の症状を起こすこともあります。
◆手術
骨格のアンバランスが大きい場合には、矯正治療だけでなく、顎の骨を切って調整する外科手術が必要になる場合があります。
以上のように、矯正治療を行う場合にはリスクを伴うこともあります。ですが、どのようなリスクがあるかというのは、個々の症例によっても違ってきますので、興味のある方は、まずはご自分の場合にはどのようなリスクがあるのか、というのを一度矯正歯科で相談してみることをおすすめします。