歯並びと全身の健康

歯並びの問題は見た目だけではありません

「歯並びを治したい」という場合、そのほとんどは見た目が気になるという理由のことが多いようですが、実は歯並びの問題は見た目だけにはとどまらず、全身にまでさまざまな影響を及ぼします。

歯並びが良くなることで全身の健康にこんな影響が！

不正咬合(悪い歯並び)を治すと、全身に次のような良い効果が期待できます。

お口の健康状態が改善される

歯並びが悪いと、歯ブラシがすみずみまで届きにくいので汚れが蓄積し、虫歯や歯周病にかかりやすくなり、お口の健康状態が悪化しがちになります。また、口臭も起こりやすくなります。
歯並びを治すことで、お口が健康に、口臭も改善し、快適なお口を保ち続けやすくなります。

全身疾患を予防できる可能性が高くなる

歯の健康状態が悪くなると、体への悪影響が起こるケースがあることが明らかになってきています。例えば、歯周病にかかっていると、歯周病菌の出す毒素が血管を通して全身をまわり、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、糖尿病、慢性関節リウマチなどを引き起こしたり、呼吸器の方に歯周病菌が入ることで細菌性肺炎を起こしやすくなったりすることがわかっています。矯正治療をすると、一見関係ないと思われがちなこのような病気の予防にもつながります。

睡眠時無呼吸症候群を予防・改善できる

悪い噛み合わせによって顎の位置が悪くなると、舌の位置が引っ込み、眠っている間に気道を狭くしたり、塞いでしまったりすることがあります。その結果、睡眠時無呼吸症候群を招き、いくら眠っても疲れが取れない、集中力不足、交通事故の原因になる、といったことが起こりやすいほか、合併症として高血圧や心臓病、脳血管障害、不整脈、糖尿病などを起こすこともわかっています。

正しい噛み合わせにすると・・・
下顎の位置が少し前に出て、顎への負担が少なくなり、気道も拡大し、睡眠時無呼吸症候群の予防・改善が期待できます。

将来的な体の機能低下を防ぐことができる

歯並びが悪いとしっかり噛めず、その状態が続くとお口の機能も正常に働きにくくなり、だんだんとお口周辺の機能が衰えていきます。お口周辺の機能低下は「オーラルフレイル」と呼ばれ、老化に伴うフレイル（体が虚弱になる状態）を引き起こすきっかけとなり、それが寝たきりへとつながっていきます。矯正治療をすることでオーラルフレイルを予防することにもつながります。

オーラルフレイルとは

顎関節症を予防・改善できる

歯並びが悪くなると、顎関節にも負担が及びます。その結果、「顎がカクカク鳴る」「顎周辺が痛い」「口が開きづらい」といったような顎関節症の症状を起こしやすくなります。また、それだけではなく、頭痛や肩こり、首の痛みといった症状も引き起こすことも珍しくありませんが、このような症状も矯正治療によって改善することがよくあります。

消化器官を健やかに保ちやすくなる

かみ合わせが悪いと、よく噛み砕くことができなくなります。また、唾液の分泌も悪くなってしまうので、消化酵素が出にくくなり、未消化の状態で食べ物が胃に送られることになり、結果として、胃腸に負担がかかってしまい、それによるさまざまな体の不調が起こってきます。かみ合わせが良くなってしっかり噛めるようになると、このような不調も起こりにくくなります。

不定愁訴が改善する

かみ合わせが悪いと、食事の際に何とかうまく噛もうとして、あごが不自然で無理な動きをせざるを得なくなります。そうすると、噛む筋肉がアンバランスに働くことになり、首や肩の周りの神経や血管を圧迫してしまいます。首や肩の周りというのは、私たちにとって重要な神経や血管が集中しているので、それらが圧迫されることで体のいろいろな部分に悪い影響が起こることがあります。
それによって出る症状は肉体的にも精神的にも多岐にわたり、また診察を受けてもはっきりと原因が分かりにくく、不定愁訴として診断され、ずっと症状に苦しんでしまう場合もあります。かみ合わせが改善することで、このような不調も改善できる可能性があります。

見た目が良くなり自信がつく

歯並びの悪さは、それそのものが見た目のコンプレックスになることも多いですが、歯並びが悪いことでお顔の形自体にも影響が出ることがあり、結果的に自分に対する自信のなさにつながることも少なくありません。矯正治療をすると口元がきれいになるだけでなく、顎の位置が正しい位置にくることで、顔のたるみが引っ張られて顔のラインがスッキリし、小顔効果も得られ、お顔全体がより美しくなっていきます。