かみ合わせが深い「過蓋咬合」を放置するリスクとは?
奥歯で噛み合わせた時に前歯は隙間なく噛み合っていますか?
噛み合わせた時、上の歯が下の歯に大きく覆いかぶさり、下の歯があまり見えない状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。過蓋咬合は、見た目的に歯の並びがいい場合、それほど問題だと思われていないことがありますが、実はお口にとっても体にとってもさまざまな悪影響を及ぼすことがある要注意の歯並びです。今回は過蓋咬合とは具体的にどのような歯並びなのか、過蓋咬合を放置することで起こりうるデメリット、そして過蓋咬合の治療法についてご紹介します。
過蓋咬合とは具体的にどんな歯並び?

過蓋咬合を放置することで起こりうるデメリット
◆奥歯が早くすり減る
かみ込みが深い分、奥歯への負担が強くかかってしまいますので、奥歯のすり減りが早く進みやすくなります。
◆上の前歯と歯茎がダメージを受けやすい
かみ合わせが深いと、下の前歯が上の前歯に強く当たりやすくなります。そうすると、上の歯に異常な力がかかり続けたり、上の前歯の裏側の歯茎に強く当たることで歯茎の炎症が起こりやすくなったりします。
◆出っ歯になる可能性がある
下の前歯が上の前歯の根元に強く当たりやすいため、その力により上の前歯が前に押され、だんだんと出っ歯になっていく可能性があります。
◆顎関節症を起こすことがある
かみ合わせが深い状態は、顎関節に大きな負担をかけてしまいます。その結果、あごの雑音や口の開きづらさ、痛みなどを症状とする「顎関節症」になりやすくなります。
◆詰め物や被せ物が脱離を繰り返しやすい
かみ込みが深いため、歯に強く、異常な力がかかります。それゆえ詰め物や被せ物を入れても外れやすく、何度も歯医者に通わなければならなくなることもあります。
◆頭痛や肩こりを起こしやすい
過蓋咬合は噛む力が強くかかりやすいため、噛む筋肉が緊張状態になりやすく、頭痛や肩こり、首の痛みといった症状を起こしやすくなります。
◆イライラしやすい
肩こりや頭痛を起こしやすくなるのに加え、歯ぎしりが起こりやすくなることにより睡眠の質が下がる、といったことから体の不調を感じやすく、精神的にもイライラしやすくなります。
過蓋咬合の治療法

子どもでも大人でも、矯正治療で治療が可能で、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも可能ですが、成長期に治療を開始すると簡単な装置で根本的に治せる可能性があるので、気が付いたら早めの治療がおすすめです。骨格的な異常が大きい場合には、あごの骨を切る手術と矯正治療を並行して行う「外科矯正」が必要になる場合もあります。矯正治療をしない場合、夜間に歯科医院で作製したマウスピースを装着することにより、歯ぎしりによる力から歯やあごへのダメージを軽減することができ、症状の悪化を防ぐことが可能です。



















